「咬翼法(こうよくほう)」について

2012-11-01

こんにちは。長町歯科クリニック院長 長町健史です。おかげさまで、開業して1年が経とうとしています。これからも、日々精進して参りますので宜しくお願い致します。さて、今回は、日々行っている診療の中で一番頻度の多い「咬翼法」について説明したいと思います。それは、当院のこだわりでもあるので、少し熱く語りたいと思います。

「咬翼法」とは、レントゲン撮影方法の中の1つで、左右1枚ずつ撮影します。適用されるのは、臼歯部(奥歯)です。この、レントゲンの特徴(長所)は
①歯と歯の間についている歯石が分かりやすい。
②詰め物、かぶせ物の適合状態を詳しく観察出来る。
③歯と歯の間の虫歯の大きさを厳しくチェック出来る。
④上下の歯を1枚の写真で同時に観察できる。
以上が、「咬翼法」の長所です。もちろん、根の先まで写らない。深い歯石、骨の吸収程度が写らない。等の短所はあります。それでも、十分に患者さんにとって有益であると、当院では考えます。
それでは、1つの症例を通して解説したいと思います。

初診時

赤い円の部分を見て下さい。歯石が付いているのが確認出来ます。
もちろん、歯ぐきの中に付いているため、肉眼では見えません。
当院では、こういった歯石を可能な限り全て取り除く事に力を注いでいます。
当院のDH(歯科衛生士)は歯石除去のスペシャリストです。
基本的には、 4~6回に分けて取っていきます。痛みを与えないように、麻酔下でしますので安心して下さい。

次に、青い円の部分を見て下さい。親知らずが斜めに生えてきています。
清掃性が悪いため、歯石が付いているばかりでなく、隣の歯が虫歯になっています。
この部分は、患者さんと話し合い、親知らずを抜歯する事にしました。同時に、麻酔が効いているため歯石も除去しました。その後、虫歯の治療に取り掛かりましたが、予想以上に進行していたために、神経の治療後、かぶせ物をいれました。また、他の3本の親知らずも、歯周環境改善のために抜歯しました。

治療終了時

治療終了時の咬翼法です。歯石は全て取り除かれ、親知らずを全て抜歯したことにより手前の歯の清掃性が高まりました。かぶせ物の適合状態も良好です。当院では、この状態まで持っていく事に力を注いでいます。もちろん、治療はこれで終わりではありません。3か月又は6ヵ月に1回、メインテナンスに来て頂いて、管理をしていきます。

余談ではありますが、当院のホームページに載せてある治療症例は、特別な症例ばかりです。日々の私たちの診療スタイルは、レントゲンに写っている歯石、虫歯をしっかり除去することです。もちろん、レントゲンに写っていない歯石、虫歯も治療していく事は、言うまでもありません。そのためには、この「咬翼法」というレントゲンは、私たちの診療には欠かすことのできないものです。これからも、適切な診断をして、治療の方法や時間を患者さんにご理解頂き、妥協のない治療をしていきたいと思います。

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